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「本の販売計画や収支計画」を考える

ここでは、自費出版を考える際の具体的な収支のお話をしたいと思います。


出版経費にはどのようなものが考えられるか?

出版経費を算出する場合には下記の要素がポイントになります。

1,制作部数
※制作部数が500部と1000部と1500部では当然1500部の制作費が高くなりますが、
印刷・製本の原価の仕組み上、総額では意外と大きな差が出ません。
と言うことは、500部と1000部、1500部の時の1冊単価を比べてみると、
1500部の時が劇的に低い単価になります。
業者に見積を依頼するときには、必ず何パターンか見積もってもらい、
配本計画と合わせて良く吟味することが大切です。

2,仕様(上製本か並製本か、カバーを付けるかどうか、カバーに「PP貼り加工」や「ニス引き加工」を施すか、サイズはどんな大きさにするか、表紙や本文紙はどんな紙を使うか…)
※本の内容によって「らしさ」を作り上げるため大切な要素がこれらの中にたくさんあります。
詩集には詩集らしいサイズ感や厚さ、紙質などがありますし、短歌集も同様です。
絵にもふさわしい額ぶちが必要なように、本にもその内容にふさわしい表紙のデザインや紙質などがあります。これらを総合的に「装丁」と呼びます。
見積の際には編集者としっかりと打ち合わせして、様々な角度から見積もってもらうことが大切です。

3,ページ数
※多くの場合、本の本文を印刷する場合には「16ページ」や「8ページ」を1単位で印刷し製本します。
16の倍数や8の倍数がコストパフォーマンスのいいページ数という事になります。
見積の際にもこれを頭に入れておくといいでしょう。

4,本文の色数(全ページ墨1色か、あるいは全ページカラーか、一部カラーにするか…)
※本の内容によって様々ですが、カラー写真のページを差し込みたいケースが多々あります。
この場合も「3,ページ数」で述べたように16や8の倍数で考えると、意外と安くカラーページを差し込むことができます。

5,付きもの(帯・スリップ・読者カードなど)を付けるかどうか。
※これは、私家本かISBNコード番号を付けて流通させるかによって変わってきます。
流通を考える場合にはスリップや読者カードを付けたいところです。
これらは本体の金額に比べると意外と小さな金額ですが、当然制作コストが変わってきます。

6,ISBNコード番号の付与と書誌登録、国会図書館への寄贈

7,その他として、PR用のチラシを作るかどうか、新聞広告を掲載するかどうか…
※友人・知人に協力して販売してもらう場合や、出版取次を通して販売する場合など、やはりPRチラシがあると、一目で本の内容を知ってもらい、販売に効果を発揮します。


上記の他に最も大切な要素が「編集・装丁デザイン」と「校正」です。

1〜7は物理的な本を作るための必要な経費ですが、

本の持つ根幹の部分、つまり著者が訴えたい感性や精神性・思想という目に見えないものを具体的な形で表現するには、
「編集・装丁デザイン」や「校正」のプロの手が必要になります。


何度か出版を経験されている著作者であればよく分かるように、「編集・デザイン」や「校正」の重要性は計り知れません。
特に校正は非常に重要で、たった1箇所の不用意な表記のミスが著作物の品位を下げることはよくあるものです。
また、和数字や洋数字の使い方、書体の使い方、用紙の選択など、プロのアドバイスが必要な場面は多々あります。
一生に何冊も出版する機会があるものではありませんので、できればプロの編集者の手を借りて、
イメージ通りの装丁と、表現ミスのない本に仕上げたいものです。


出版の成否を分けるのは「編集・デザイン」と「校正」次第。

「編集・デザイン」や「校正」に経費をかけずに自分で行ったり身近な友人に頼むこともできますが、本作りには本作りの様々なノウハウがあります。
この部分に時間や経費を惜しむと「いい本」ができにくいものです。
「いい本」とは、本の内容がデザインや紙質、本文の組版などで5感にしっかりと訴える本です。
「いい本」は結果的に「売れる本」になります。したがって「いい本」は経費を回収する早道でもあります。
どちらを選ぶかは著者の考え方次第です。

以上のような基本的な考え方を踏まえて、実際の例をあげて自費出版の「本の販売計画や収支計画」を考えてみます。

最初の例は、2018年7月にイー・ピックス社が制作し販売した『木を植えた人・二戸のフランシスコ ゲオルク・シュトルム神父の生活と思想』です。


『木を植えた人 二戸のフランシスコ ゲオルク・シュトルム神父の思想と哲学』の書影


この本の
1,制作部数は→1000部

2,仕様は→並製本でカラー印刷のカバーを付けて、カバーには「ニス引き加工」を付けました。
サイズは四六判(127?×188?)。本の内容に合わせ、カバーや表紙には温かみを感じさせる風合いの特殊紙を使い、
その風合いを手に取ったときに感じてもらえるように「PP貼り加工」ではなく「ニス引き加工」を施しました。
「PP貼り加工」も「ニス引き加工」のカバーに汚れがつきにくくするための加工です。

3,ページ数は→240ページ。
本文のページ数はコストに重要な要因ですが、多くの場合は16の倍数がコストパフォーマンスのいいページ数になります。
印刷する際に大判の紙に16ページ分をまとめて印刷するからです。この本の場合も16の倍数のページに収めました。

4,本文の色数は→240ページの内、モノクロ1色ページが224ページ、カラーページが16ページです。
カラーページには、写真がふんだんに盛り込まれています。カラーページも16の倍数にしました。

5,付きもの(帯・スリップ・読者カード)は→帯はカバーと共刷りし、ニス引き加工も付けています。
全国のキリスト教書店と岩手県内の主な書店でも販売したため、スリップも付け、読者カードも付けました。

,その他→著者の希望によりPR用のチラシも2000枚作りました。(下のチラシです)




以上の内容で、本の制作費は120万円(税別)、チラシの制作費は3万8千円(税別)です。

さて、この経費をどのような販売計画を立ててまかなうかの考え方を次の項で考えてみます。
「本の販売計画や利益計画」を考える(その2)

お問い合わせはこちらからどうぞ
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※この記事は2018年8月18日現在書きかけです