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ガレキの言葉で語れ 〜照井良平詩集〜(「第41回壺井繁治賞」受賞作)
著者 照井 良平(てるい りょうへい)
発行所 詩人会議出版
初版発行 2012年11月1日
サイズ/A5判 
ページ数/128ページ 
製本/並製本
 
著者からの読者へ
 「被災地の内側から見たガレキの砂漠」
この詩集を上梓しようとした理由は「あとがき」にも書いたが、そこに書いていないところの思いをここに書き加えたいと思う。
現在でも被災地に関係する被災地の外側から見た書籍、つまり被災者自らのあるいはそこで生まれ、育ち、実家・親戚が被災し、兄弟親戚を亡くし、ガレキを片付ける準被災者(適当な言葉が見つからないので)の人達が書いた書籍は極端に少ない。外側から書いた詩もかなり読んだと思っているが、それも含めて「何かがどこかが違う」と感ずることが度々あった。
いまでも、その感じ方はあまり変わらない。そんな思いがあって、詩集という形で内側から見た「ガレキの思い=被災者の思い」を伝えたい一心で詩を書きまとめたものである。
誰かが書かないと内側から見た目が忘れられてしまうという思いがあったことを書き加えておきたい。
 
著者プロフィール
・1946年6月6日 陸前高田市米崎町に生まれる
・1970年3月 中央大学理工学部電気工学科卒業
・1975年10月 花巻市民芸術祭「最優秀賞」受賞
・1982年10月 岩手芸術祭最優秀賞なしの「優秀賞」受賞 
「米ヶ崎の蟹とロダンの国」
・1982年〜     花巻詩人クラブ 会長
・2009〜2011年 岩手県詩人クラブ常任理事
・2009年〜 月刊詩誌「詩人会議」全国運営委員
・2011年10月 「第26回国民文化祭・京都2011現代詩フェスティバル最優秀賞文部科学大臣賞」受賞 (京都府主催/京都テルサホール)  題名「ばあさんのせなか」
・2012年3月〜2013年3月 日本現代詩歌文学館2012年度常設展「未来からの声が聴こえる、2011・3・11と詩歌」に「ばあさんのせなか」が展示される。
・2012年3月 [東日本大震災・後方支援の集い〜「縁」が結ぶ復興への「絆」〜]
 (遠野市主催/遠野市民センター) 朗読出演「ばあさんのせなか」
・2012年4月 「第34回花巻芸術文化協会表彰」受賞 (花巻芸術文化協会主催/ホテル花城)
・2013年2月 花巻市「かつりょくあるまちづくり表彰」受賞 (花巻市主催/ホテル グランシュエル)
・2013年3月〜2014年3月 日本現代詩歌文学館2013年度常設展「明日から吹いてくる風、2012・3・11と詩歌、その後に」に「ばあさんのせなか」が展示される。
・2013年5月 プロジェクトLa Voix Poetes 詩人の聲
 天童大人プロデュース シリーズ第944 1時間の朗読出演
 約20篇(東京都杉並区 数寄和画廊ホール)
・2013年5月 第1詩集「ガレキのことばで語れ」「第41回壺井繁治賞」受賞
 (詩人会議主催/東京青年会館)
・2013年10月 プロジェクトLa Voix Poetes 詩人の聲
 天童大人プロデュース シリーズ第1002 1時間の朗読出演
(東京都豊島区 東京平和教会ホール)
 
・現在、花巻詩人クラブ会長、月刊詩誌「詩人会議」全国運営委員、日本現代詩人会会員、岩手県民文芸集選者、花巻市民芸術祭
 
 
おすすめポイント(イーハトーヴ書店から)
 
詩だからこそ胸に突き刺さる、「被災地の内側」の強烈な思い
おすすめの言葉など、ここでは一切無用。
先ずはこの詩集の最初の詩「ガレキのことばで語れ」の最初の数行を紹介します。
 
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ガレキの前で
 
ことばがないなどとは言うな
 
ことばで語ることができないなら
 
季節の冷たいつぶて
 
みぞれで凍てつく春のみぞれで語れ
 
潮風が頬を刺す潮風で語れ
 
それでもことばが見つからないときは
 
一人で細い坂道を
 
安置所に向かう人の背中で語れ
 
海に手を合わせる少女のことばで語れ
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
ガレキの前で、内からわき出てくるどうにも表現しようもない思いを、この1行1行が自分の代わりに語ってくれているような気がする。
自分もまた詩を読みながら、作者とともに「被災地の内側」に心を置き、ほんの少しのカタルシスを得られるかも知れない。
 
詩集の題名になっている作品「ガレキのことばで語れ」は月刊詩誌「詩と思想」2012年度新人賞にノミネートされた作品です。
この詩集は「第41回壺井繁治賞」を受賞。
また、「第26回国民文化祭・京都2011現代詩フェスティバル最優秀賞文部科学大臣賞」を受賞した「ばあさんのせなか」がこの詩集に載っています。
 
ぜひ、お読みになって見て下さい。

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