前九年の風 畏怖・厨川次郎伝

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前九年の風 畏怖・厨川次郎伝

今から約千年の昔
陸奥の民の平和を守り
理想郷を創るべく
蝦夷の誇りを賭けて
侵略者と戦った男がいたー
その男の名は”安倍貞任(あべのさだとう)”

岩手出身の著者が、郷土の英雄の生き様を独自の視点で描いた歴史長編小説。


前書きより
みちのく岩手は盛岡に、前九年(ぜんくねん)、安倍館(あべたて)、館坂(たてさか)、舘向(たてむかい)、上堂(かみどう)、夕顔瀬(ゆうがおせ)、そして厨川(くりやがわ)という地名がある。市内の古刹、天昌寺(てんしょうじ)には貞任園(さだとうえん)という名の堂が建ち、その西部を流れる諸葛川(もろくずがわ)には、嘗て貞任橋、宗任(むねとう)橋が架けられていたと言う。北上川の西側、安倍館の切り立った断崖の上には貞任宗任神社がひっそりと佇(たたず)み、前九年には敵見ヶ森(かたきみがもり)に欅(けやき)の大木が当時を偲ぶ―。
今から約千年の昔、北天の魁(ほし)たる安倍貞任(あべのさだとう)は厨川柵(くりやがわのさく)で朝廷軍との戦いに挑み、見事に散った。後に前九年合戦と呼ばれるこの戦(いくさ)に敗れた弟の宗任(むねとう)は京の都に連行される。そこで蝦夷(えみし)は花の名なぞ知らぬ野蛮な民と侮った平安貴族が梅の花を見せ、これは何ぞと嘲り笑った。この問いに対し宗任は、
―我が国の梅の花とは見たれども、大宮人(おおみやびと)はいかが云(い)うらん―
と和歌を即興で詠み、貴族どもを大いに驚かせたと言う(『平家物語』剣巻より)。郷土の誇りを胸に侵略者と戦った蝦夷を偲び、盛岡市立厨川中学校の校章には梅が模(かたど)られている。
古代から中世に掛けて、想えば東北、特に岩手は屈辱の歴史を歩んで来た。阿弖流為(あてるい)で敗け貞任で敗け、源頼朝の奥州征伐(おうしゅうせいばつ)に藤原泰衡(ふじわらのやすひら)が屈し、豊臣秀吉の奥州仕置(おうしゅうしおき)では九戸政実(くのへまさざね)が散った。それにしても征伐に仕置とは、何と侮辱的な言葉であろう・・・。
そして近代に目を移しても、奥羽越(おううえつ)列藩同盟に加担した盛岡藩は戊辰(ぼしん)戦争に破れて逆臣の汚名を着せられている。大東亜戦争後も東北の地は食料と人材を中央に供給して陰ながら日本の高度経済成長を支えて来た。そして今も・・・。
この物語は千年もの昔、己の故郷を守るために陸奥の大地を風の如く駆け抜けたまつろわぬ民に奉げるものである。




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発行:2023年12月13日
著者:筒井 繁行(つつい しげゆき)
発売元:イー・ピックス
印刷所:衒寝蝋業社
判型:128ミリ×188ミリ
ページ数:564ページ
定価:1800円(税込み1980円)
カラーのカバー付、簡易製本
※別途送料が180円(税別)が掛かります